東京ポイント 2,000pt
令和8年度 東京都 女性のがん検診受診応援事業
~わたしのセルフケアのはじまり~
がん検診を受けて、
健康関連グッズ等を受け取ろう。
子宮頸がん・乳がん検診の受診で、2,000円相当の健康関連グッズ等をお届けします。
下記の2つからお選びいただきます
対象のがん検診を受けた方に、2,000円相当の健康関連グッズ等をお届けします。
健康をサポートするグッズ等から1つお選びください。
睡眠やセルフケア、食生活、運動など、毎日の健康づくりをサポートするグッズから、お好きなものを1つお選びいただけます。








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子宮頸がん検診(20歳以上)または乳がん検診(40歳以上)を受診してください。
本人確認書類と検診結果通知を用意して、このサイトからオンラインで申請します。
事務局で申請内容を確認し、結果をメールでお知らせします。審査には一定の日数がかかります。
メールに記載のID番号・パスワードでログインし、お好きな健康関連グッズ等を1つお選びください。
約2〜4週間でお届けします。東京ポイントをご希望の方にはメールでご案内します。
※申請期間:令和8年10月1日〜令和9年2月28日
東京都にお住まいで、令和8年度に子宮頸がん検診を受診した20歳以上の女性、または乳がん検診を受診した40歳以上の女性が対象です。
3つの質問に答えるだけ!あなたにぴったりの健康関連グッズを見つけましょう。
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女性はホルモンの影響などにより、ライフステージごとに様々な健康課題に直面します。
病名(症状)をクリックすると解説記事が開きますので、ぜひご覧ください。
月経困難症とは、月経期間中に起こる下腹部痛や腰痛をはじめ、お腹の張り(腹部膨満感)、吐き気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、下痢、イライラ、憂うつなど、様々な心身の症状の総称です。中でも特に多く見られる症状は、下腹部痛と腰痛です。
月経困難症は、原因となる病気が隠れているかどうかによって、以下の2つのタイプに分類されます。

問診で、痛みの強さや市販の痛み止めの効果など、詳しくお話を伺います。
次に、超音波(エコー)検査で子宮や卵巣に問題がないか確認します。性交渉の経験がない場合には、お腹の上からあてる「経腹エコー」や肛門からの「経直腸エコー」で検査ができるため、安心して受診してください。
必要に応じて、血液検査で腫瘍マーカーを測定したり、MRIを撮像して詳しく調べたりすることもあります。
月経困難症には、ご自身の症状やライフスタイルに合わせた多様な治療の選択肢があります。
日常的なセルフケアとしては、下腹部や腰を温めること、十分な栄養と睡眠をとって心身をリラックスさせることが症状の緩和に有効です。
薬物療法では、痛みの原因物質(プロスタグランジン)の産生を抑える「非ステロイド系消炎鎮痛剤(痛み止め)」の服用が効果的です。ただし、痛みのピーク時に服用すると効き目が弱くなるため、「痛くなりそう」な段階での早めの服用をおすすめします。また、体質に合わせて漢方薬が用いられることもあります。
これらの対応でも症状が改善しない場合は、ホルモン療法を検討します。まずはファーストチョイスとして、痛みの緩和だけでなく経血量を減らす効果もある「低用量ピル(LEP)」が広く使われます。もしLEPで十分な効果が得られない場合や内服が難しい場合には、黄体ホルモン薬の内服や、子宮内黄体ホルモン放出システムの装着などが選択肢となります。
子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が原因である「器質性月経困難症」の場合には、それらの根本的な病気に対する治療も合わせて検討されます。
月経による心身の不調が原因で日常生活に支障がある場合は、産婦人科・婦人科へ相談しましょう。
受診のタイミングは月経中であるかどうかを問いません。ご自身の都合の良い日にいつでも受診していただけます。女性医師を指定できる医療機関もありますので、事前にホームページや電話で確認しましょう。
受診の際には以下の情報を事前にまとめておくと、医師への相談や診断がスムーズになります。
・直近の月経開始日とおおよその月経周期
・具体的な症状の内容と、その症状が現れる時期
・現在使用している痛み止めの製品名と、1日の服用回数
月経は、月経周期(月経が始まった日から次の月経が始まる前日までの期間)に基づき、以下のように分類されます。
・正常月経: 周期が25日〜38日の間で、毎月ほぼ一定のペースで来ている状態。
・月経不順: 周期がバラバラ、または極端に長い・短い状態。
頻発月経:周期が24日以内と短すぎる
稀発月経:39日以上〜90日未満と長すぎる
・無月経: 妊娠・授乳中や閉経ではないのに、3か月以上月経が来ない状態。
原発性無月経: 18歳以上になっても一度も初経(最初の月経)が来ない状態。染色体異常や生まれつきの子宮・腟の奇形などが主な原因。
続発性無月経: これまであった月経が、何らかの原因によって3か月以上止まってしまった状態。
月経周期は、脳(視床下部・下垂体)と卵巣から分泌されるホルモンのバランスで成り立っています。そのため、体や心にストレスがかかると、月経周期が乱れることがあります。
・過度なストレス・環境の変化: 引っ越し、転職、人間関係などの精神的ストレスのよる脳の機能低下
・無理なダイエット・急激な体重減少: 体脂肪の激減により、脳がエネルギー不足と判断して排卵シグナルをストップさせる(体重減少性無月経)。
・激しいスポーツ: 利用可能エネルギーの不足と運動負荷によるもの。
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS): 卵巣内で卵胞が育つのに時間がかかり、排卵がスムーズに起きなくなる、若年女性に多い体質。
・その他の病気や薬剤: 甲状腺機能異常、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)を高める胃腸薬や精神安定剤の服用など。
問診で以下のことを確認します。
初経の年齢、直近の月経開始日、最近の月経周期、ライフスタイルの変化(ストレス、過度なダイエット、睡眠不足など)について、内服薬の有無、治療中の病気の有無
超音波(エコー)検査で、子宮や卵巣の形態に異常がないか確認します。
採血検査で、ホルモンバランスの乱れや、排卵障害の原因(甲状腺の異常など)を調べます。
月経不順の治療法は、原因や年齢、「今すぐ妊娠を希望するかどうか」によって大きく異なります。
検査で明確な原因が見つかった場合は、その根本治療を最優先します。
・過度なダイエット・やせ:栄養指導などを通じて、まずは適正体重(BMI 18.5以上)に戻す治療を行います。
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):排卵障害を伴うため、妊娠の希望に合わせてピルや排卵誘発剤を使い分けます。
・ホルモン異常(高プロラクチン血症・甲状腺機能障害):数値をコントロールする内科的なお薬の服用を優先します。
・今すぐには妊娠を希望しない方は、定期的に月経を起こして子宮の環境を整えるため、低用量ピルや「エストロゲン・プロゲスチン療法」「プロゲスチン療法」などを行います。
・今すぐ妊娠を希望する方(排卵がうまく行われていない場合)は、 スムーズな排卵を促すために、排卵誘発薬の服用が必要になります。
月経不順(月経周期が毎回24日以内、または39日以上のとき)や無月経の症状(月経が3か月以上来ないときあるいは15歳になっても初経が来ないとき)が見られる場合は、婦人科・産婦人科を受診してください。女性医師を指定できる医療機関もありますので、事前にホームページや電話で確認しましょう。
受診時には、以下の情報をまとめておくと役立ちます。
・一番最近の月経開始日とおおよその月経周期
・どのような症状なのかと症状のある時期
・「お薬手帳」(現在、他院の薬などを服用している方)
・体重の変化(急激なダイエットや体重増加など)
イライラする、気分が落ち込む、頭痛やむくみがつらい―こうした心身の不調が毎月ほぼ同じく月経前になると現れ、月経が始まって3〜5日目くらいまでには軽くなる場合、PMS(月経前症候群)の可能性があります。
PMSは、月経前の3~10日ほど続く精神や身体症状が、月経の開始とともに軽くなる、または消える状態です。思春期以降から閉経期まで、月経のある幅広い年代層にみられます。症状と程度は人によって大きく異なり、同じ人でも時と場合によって症状が出たり出なかったり、重かったり軽かったり、長かったり短かったりすることがあります。身体症状としては、頭痛、下腹部の張り、むくみ、乳房の張りや痛み、体重増加、肩こり、便秘、眠気、だるさなどがあります。精神症状としては、イライラ、怒りっぽさ、気分の落ち込み、不安、無気力、集中力の低下、涙もろさなどがあります。食欲が増えたり、甘い物を食べたくなったりする人もいます。精神症状が強いと仕事、家事、学業や人間関係などに影響が生じます。特に、強い落ち込みや不安、怒りなどが現れ、日常生活や人間関係への影響が大きい状態は、PMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれます。
PMSの原因は完全には分かっていませんが、排卵後から月経までの間に起こる女性ホルモンの変化に、脳や体が敏感に反応することが関係すると考えられています。「性格の問題」や「気の持ちよう」ではありません。だるさ、めまい、息切れ、動悸などが月経前以外にも続く場合や、月経の出血量が多い場合には、鉄欠乏性貧血など別の病気が隠れていることがあります。月経に関連する症状がある場合には、速やかに医療機関に相談することが大切です。

PMSは、採血や画像検査で診断できる病気ではありません。大切なのは、「どのような症状が、月経周期のいつ現れ、いつ軽くなるか」を確認することです。
手帳やスマートフォンなどに、月経日とともに、頭痛、むくみ、イライラ、気分の落ち込みなどの症状と、その強さを毎日記録しましょう。少なくとも2回の月経周期にわたって記録すると、PMSかどうかを判断する手がかりになります。
症状が月経と関係なく続く場合には、うつ病や不安症、甲状腺の病気、貧血、片頭痛、更年期の不調などとの見分けが必要です。診察では症状や月経の状態を確認し、必要に応じて血液検査などを行います。
まず、十分な睡眠、規則正しい食事、無理のない運動を心がけましょう。症状を記録しておくと、不調が起こりやすい時期を予測でき、予定を詰め込みすぎない、休憩を多めに取るなどの対策を立てやすくなります。糖分、塩分、カフェイン、アルコールを取り過ぎると、むくみや睡眠の乱れ、気分の変化が強くなる人もいます。何かを一律に禁止するのではなく、自分の食生活と症状との関係を確認してみましょう。
生活上の工夫だけで十分に改善しない場合には、症状に合わせた治療があります。排卵を抑えてホルモンの変動を小さくする低用量ピルなどのホルモン剤や、抑うつ気分の症状に効果のある抗うつ薬が用いられ、漢方薬も有用です。PMSの薬物治療には、生活改善、カウンセリングなどを組み合わせます。薬にはそれぞれ適さない場合や副作用があるため、自己判断をせず、医師や薬剤師に相談してください。
月経前の不調で仕事、学校、家事や人間関係に困っている場合は、産婦人科・婦人科が主な相談先です。受診時には、症状と月経日を記録したものを持参すると役立ちます。
強い気分の落ち込み、不安、自分を傷つけたい気持ちがある場合は、早めに婦人科、精神科または心療内科へ相談してください。また、突然の激しい頭痛、手足のしびれ、言葉が出にくい、意識がおかしいといった症状がある場合は、PMSと決めつけず、速やかに医療機関を受診しましょう。男性医師に相談しにくい、と考えるようであれば、女性医師を指定できる医療機関もありますので事前にホームページや電話で確認しましょう。
PMSは、毎月我慢しなくてはいけない不調ではありません。症状の周期を知り、自分に合った生活上の工夫や治療を選ぶことで、日常生活への影響を軽くできる可能性があります。
―女性のからだと上手につきあうために
子宮内膜症は、子宮の内側をおおう「子宮内膜」に似た組織が、卵巣や腹膜など子宮以外の場所にできる病気です。月経のたびに出血をくり返すため、炎症や癒着の原因になります。
卵巣にできると、内部に血液がたまって「卵巣チョコレート嚢腫(のうしゅ)」を形成します。進行すると、嚢腫が大きくなったり卵巣機能の低下につながることがあります。また、腸と子宮が癒着して子宮の後ろのくぼみ(ダグラス窩)がふさがると、排便痛や性交痛の原因になります。
まれに腸・膀胱・尿管・肺・臍(へそ)・そけい部などにできることもあり(稀少部位子宮内膜症)、この場合は外科や泌尿器科と連携できる大きな病院での治療が安心です。
発症しやすい年代:子宮内膜症は20〜30歳代に最も多く、生殖年齢(20~40歳代)の10人に1人程度みられます。晩婚化・少子化により生涯の月経回数が増えたことも、増加の一因と考えられています。
主な症状:もっとも多いのは生理痛ですが、月経期以外の下腹痛・腰痛・排便痛・性交痛など、さまざまな痛みの原因になります。卵巣機能の低下から不妊につながることもあるため、今すぐ妊娠したい方は元より、すぐに妊娠を希望しない方こそ、進行を防ぐために早めの治療をおすすめします。

問診・内診・採血・超音波・MRIなどを組み合わせて状態を把握し、治療法を選びます。
・内診(直腸診):癒着の程度やしこり、圧痛の有無を確認します。
・超音波検査(エコー):体の表面や体の中から超音波をあてて、チョコレート嚢腫の位置や大きさをみる、体への負担が少ない基本的な検査です。
・採血:子宮内膜症など特定の病気があるときに血液中で増える物質(腫瘍マーカー)の量を測定する血液検査です。確定診断にはなりませんが、治療効果の確認に役立ちます。
・MRI検査:トンネルのような装置の中に横になり、体の中のようすを細かく撮影する検査です。診断精度が高く、病気の広がりや癒着部位の確認、悪性との区別にも有用です。
・腹腔鏡:おなかに数mmの穴をあけて直接観察する方法で、検査と治療を同時に行える利点があります。
治療には薬物療法と手術療法があり、症状の強さや腫瘍の大きさに加え、年齢や妊娠の希望も考えて選びます。薬物療法は早く始めるほど痛みをやわらげ、進行をおさえられますが、両者を上手に組み合わせれば、進行を最小限にすることも可能です。
症状をやわらげる対症療法(鎮痛剤・漢方など)と、治療効果も期待できるホルモン療法があります。鎮痛剤は、痛みが強くなりそうなタイミングで早めに飲むと効きやすくなります。ホルモン療法は種類が豊富で年齢やニーズに合わせて選べますが、多くは排卵を抑えるため、すぐに妊娠したい方には向きません。
・低用量ピル・LEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤):月経痛や経血量を減らし、治療の第一選択となる薬です。副作用が少なく若い世代にも使いやすい一方、まれに血栓症のリスクがあり、喫煙者や40歳以上では注意が必要です。
・黄体ホルモン療法(ジエノゲストなど):病変に直接働いて痛みを抑えます。ピルより効果が強く血栓リスクもないため、年齢や喫煙の有無を問わず長く続けやすい薬です。
・子宮内黄体ホルモン放出システム(LNG-IUS):黄体ホルモンを放出する小さな器具を子宮内に装着することで、月経痛・経血量を抑えます。効果は最長で約5年持続します。ただし、妊娠を希望する際には抜去が必要となります。
・GnRH作動薬・拮抗薬:女性ホルモンの分泌をおさえ閉経に近い状態をつくる、もっとも強力な治療法(偽閉経療法)です。骨量減少のリスクがあるため、連続して使用できる期間は原則として6か月以内となります。最近は、即効性のある内服タイプのGnRH拮抗薬も登場しています。
手術療法には腹腔鏡手術と開腹手術がありますが、体への負担が少ない腹腔鏡手術が主流です。手術療法は、5〜6cm以上のチョコレート嚢腫がある場合や鎮痛薬が効かない痛み、難治性不妊症がある場合、悪性が否定できない場合などに検討します。手術は回数を重ねると卵巣機能が低下するため、手術は最低限とし、「ここぞ」というタイミングで行うことが大切です。

手術療法には、病巣だけ摘出する温存手術と、臓器ごと摘出する摘出手術があります。
・温存手術:病巣だけを取り、卵巣や子宮を残します。今後、妊娠を希望する女性に行いますが、再発しやすいため、術後のホルモン療法や早めの妊娠で再発を防ぎます。
・摘出手術:卵巣や子宮ごと病巣を取り除く方法で、妊娠を希望しない場合や悪性のリスクが否定できない場合などに選びます。中でも、両側の卵巣・卵管を摘出する方法を「根治手術」といいますが、再発のリスクはないものの、更年期症状や骨のケアが必要になります。
患者さんの症状や年齢、嚢腫の大きさ、妊娠希望の有無をもとに、産婦人科医が治療の提案を行います。鎮痛剤が無効の子宮内膜症があった場合、妊娠希望の時期により以下の3パターンに分けて、治療プランを考えます。
・今すぐ妊娠したい場合)
手術適応があれば先に温存手術を行いますが、年齢が高い、卵巣機能が低下している、不妊症がある場合は、不妊治療を先行する場合があります。
・将来的には妊娠したい場合)
手術適応があれば温存手術を、なければ薬物療法を行います。
・妊娠の希望はない場合)
手術適応があれば摘出手術を、なければ薬物療法を行います。
*手術適応とは)先に手術を考えた方が良い状況をいいます。例を挙げると、①卵巣嚢腫が5-6cm以上、②悪性が否定できない場合、③薬が効かない痛みや稀少部位子宮内膜症がある場合、④子宮内膜症が不妊の原因になっている場合などが、それにあてはまります。妊娠希望がない場合には、これらにあてはまらなくても、子宮筋腫など別の病気で手術を行う際に併せて摘出することもあります。

近年、世界各国の大規模研究により、子宮内膜症が痛みや不妊だけでなく、生涯の健康や働き方にも関わることがわかってきました。
・思春期:中高生の頃から生理痛が強い人は、将来子宮内膜症になりやすいことがわかっています。早めにピルを始めると、痛みが軽くなるだけでなく、発症や進行の予防も期待できます。
・妊娠・出産時:早産や妊娠高血圧症候群、胎盤異常などのリスクがやや高まることがわかってきました。ただし多くの方は無事に出産しており、心配しすぎる必要はありません。妊娠がわかったら、主治医に既往を伝えておくと安心です。
・中高年:子宮内膜症のある女性が中高年になると、心血管の病気や高血圧、うつなどのリスクがやや高い傾向があります。これらは、長く続く炎症や痛みが背景と考えられています。
・働く女性:痛みで集中できず本来の力を出せない状態(プレゼンティーズム)が起こりやすく、ある研究では週平均約11時間の生産性が失われると報告されています。痛くても我慢して働く女性が多いことの表れでもあります。
次のようなサインがあれば、早めに婦人科を受診しましょう。

子宮内膜症は悪性ではありませんが、女性ホルモンとともに進むため、閉経頃までつきあう病気です。「生理痛は我慢するもの」と思わず、日常に支障が出る痛みがあれば早めにご相談ください。
また、はっきりした症状がなくても、月経のある方は年に一度の婦人科検診をおすすめしています。仕事や妊娠などのライフイベントを見据え、主治医やパートナーと相談しながら計画的に治療を続けることが理想です。
子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。がんとは異なり、悪性化することはまれです。比較的多くみられる病気で、特に30~40歳代で見つかることが多いとされています。20歳代で見つかることもあり、閉経後は女性ホルモンの影響が少なくなるため、子宮筋腫は小さくなることが多いです。
子宮筋腫ができる原因は、はっきりとは分かっていません。ただし、女性ホルモンの影響を受けて大きくなると考えられています。そのため、月経のある年代に大きくなりやすく、閉経後には縮小します。

子宮筋腫は、できる場所によって大きく3つに分けられます。子宮の内側に近い場所にできる「子宮粘膜下筋腫」は、サイズが小さくても月経量が多くなりやすく、また、不妊症の原因となることがあります。子宮の筋肉の中にできる「子宮筋層内筋腫」は、大きくなると月経痛、過多月経、不妊症などに関係することがあります。子宮筋腫が子宮内膜に接していると不妊症に大きく影響するとされています。子宮の外側に向かってできる「子宮漿膜下筋腫」は、月経への影響は比較的少ないこともありますが、大きくなると膀胱や腸を圧迫し、頻尿、便秘、腰痛、下腹部の張りなどの原因になることがあります。
代表的な症状は、月経量が多い、月経痛が強い、月経期間が長い、不正出血、貧血、下腹部の張り、頻尿、便秘、腰痛などです。月経量が多い状態が続くと、鉄欠乏性貧血を起こし、疲れやすい、息切れがする、動悸がする、めまいがするなどの症状につながることがあります。また、子宮筋腫の場所や大きさによっては、妊娠しにくさや流産、妊娠中の合併症に関係する場合もあります。
子宮筋腫が疑われる場合、まず問診で月経の状態、出血量、痛み、貧血症状、妊娠希望の有無などを確認します。月経量が多いか、月経痛が強いか、日常生活に支障があるかなどは、治療方針を考えるうえで大切な情報です。
次に、診察や超音波検査を行います。診察では、必要に応じて内診で子宮の大きさや圧痛などを確認します。超音波検査は主に経腟超音波で行い、子宮筋腫の有無、数、大きさ、できている場所を確認します。経腟超音波が難しい場合などには、経腹超音波を行うこともあります。多くの場合、超音波検査で診断の見通しを立てることができます。
子宮筋腫の位置や大きさをより詳しく調べる必要がある場合には、MRI検査を行うことがあります。特に、手術を検討する場合や、子宮筋腫と他の病気との区別が必要な場合には、MRIが役立ちます。
過多月経や貧血が疑われる場合には、血液検査でヘモグロビンや鉄の状態を確認します。不正出血がある場合や、年齢・症状によっては、子宮内膜の病気が隠れていないかを確認する検査を行うこともあります。
子宮筋腫の治療は、症状の強さ、子宮筋腫の大きさ、できている場所、年齢、妊娠希望の有無によって異なります。子宮筋腫があるからといって、必ず治療が必要になるわけではありません。症状がなく、子宮筋腫が小さい場合には、定期的に検査をしながら経過を見ることがあります。
症状を軽くする治療としては、鎮痛薬、鉄補充薬、ホルモン薬などがあります。月経痛が強い場合には鎮痛薬を使用し、貧血がある場合には鉄補充薬で改善を図ります。過多月経や月経痛に対して、ホルモン薬を用いることもあります。薬物療法により出血量を減らしたり、一時的に子宮筋腫を小さくしたりできる場合がありますが、薬の種類によって使用できる期間や副作用が異なるため、医師と相談して選択します。
症状が強い場合、貧血を繰り返す場合、子宮筋腫が大きい場合、妊娠への影響が疑われる場合には、手術を検討します。将来の妊娠を希望する方では、子宮を残して子宮筋腫だけを取り除く「子宮筋腫核出術」が選択肢になります。子宮の内側に飛び出す子宮粘膜下筋腫では、子宮鏡を用いた手術が行われることがあります。症状の強さによっては、子宮を摘出する「子宮全摘出術」が選択肢になることもあります。
その他、子宮動脈塞栓術や集束超音波治療などが検討される場合もあります。ただし、将来の妊娠を希望する場合には、治療法の選択に慎重な判断が必要です。治療の目的は、子宮筋腫をなくすことだけではなく、症状を軽くし、生活の質を保ち、その人のライフプランに合った方法を選ぶことです。
子宮筋腫を完全に予防する方法は、現時点では確立されていません。ただし、月経量の増加や貧血症状などの変化に早めに気づき、適切に受診することで、症状の悪化を防ぎやすくなります。

次のような症状がある場合は、産婦人科に相談しましょう。
・月経量が以前より明らかに増えた
・夜用ナプキンでも間に合わない
・血のかたまりが多い
・月経痛で日常生活に支障がある
・貧血を指摘された
・不正出血がある
・下腹部の張りや圧迫感がある
・頻尿や便秘が続く
・妊娠を希望しているがなかなか妊娠しない など
子宮筋腫は珍しい病気ではなく、すぐに大きな病気につながるものではないことも多くあります。一方で、症状を我慢し続けると、貧血や生活の質の低下につながることがあります。また、妊娠を希望する方では、子宮筋腫の場所や大きさが妊娠に影響することもあります。
月経や体調に気になる変化がある場合は、早めに産婦人科で相談し、自分の症状やライフプランに合った対応を考えることが大切です。
乳がんは、日本人女性で最も多いがんで、生涯で8人に1人がかかるといわれています。40歳代後半から70歳代に多くみられますが、30歳代や80歳代以降でも発症は少なくありません。
診療の中で、「私の何が悪かったのでしょうか」「家族に乳がんの人はいないのに、なぜでしょうか」と質問を受けることがあります。しかし、乳がんの多くは遺伝性ではなく、家族に乳がんの方がいなくても発症します。乳がんは女性ホルモンの影響を受けて発症することが多いがんです。そのため、年齢や遺伝的要因に加え、初経が早い、閉経が遅いなど女性ホルモンにさらされる期間が長いことや、出産・授乳歴の有無、飲酒、肥満、運動不足などがリスク因子として知られています。
特に思い当たる要因がなくても乳がんになる方もいれば、こうしたリスク因子があっても乳がんにならない方もいます。乳がんは一つの原因だけで発症する病気ではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。
禁煙や節度ある飲酒、バランスのよい食事、適度な運動など、健康的な生活習慣は、乳がんを含めたさまざまな病気の予防につながります。しかし、乳がんは誰もがなりうる病気であり、完全に予防することはできません。そのため、普段から自分の乳房に関心を持ち、いつもと違う小さな変化に気付くことが、早期発見への第一歩となります。
乳がんを早期に発見するためには、定期的に乳がん検診を受けることが大切です。
マンモグラフィ検査は、乳がんの初期にみられる石灰化を見つけることに優れた検査であり、乳がん検診の基本となる検査です。乳房の状態や年齢によっては、超音波検査を組み合わせることが有用な場合もあります。乳房の中の乳腺組織は、年齢とともに脂肪に置き換わることが多く、そのような脂肪の多い乳房では、マンモグラフィで病変を見つけやすくなります。一方、若い方やホルモンの影響で乳腺組織が発達している方(高濃度乳房)では、マンモグラフィで病変が見えにくいことがあります(図1)。高濃度乳房では、超音波検査を組み合わせることで、マンモグラフィでは見えにくい病変が見つかることもあります。職場の健康診断や人間ドックなどでは、超音波検査を選択できることがあります。高濃度乳房を指摘された方は、そのような機会も活用し、ご自身の乳房の状態や年齢に応じた検査を受けることも一つの選択肢です。
「マンモグラフィと超音波検査、どちらを受ければよいですか」と質問を受けることがあります。どちらが適しているかは一人ひとり異なるため、医師と相談しながら選択することが大切です。

自治体で実施している乳がん検診は、乳がんを早期に発見するための大切な機会です。一方で、どのような検査にも限界があり、すべての乳がんを見つけられるわけではありません。だからこそ、検診に加えて、普段から自分の乳房を意識し、小さな変化に気付くことも大切です。
日頃から自分の乳房を見たり触れたりして、「いつもの自分の乳房」を知ることを、ブレスト・アウェアネス(乳房を意識する生活習慣)といいます。「触ってもよく分からない」という方は少なくありません。大切なのは、しこりを見つけようとすることではなく、「いつもの自分の乳房」を知ることです。検診や診察で異常がないことを確認したら、その状態を基準として、毎月1回、月経が終わった後など、乳房が柔らかい時に、乳房全体を撫でるように触れ、以前にはなかった出っ張りや硬さ、普段と違う変化がないかを確認してみましょう。
乳房の痛みを心配して受診される方は多くいらっしゃいます。乳房の痛みだけで乳がんが見つかることは多くありませんが、月経周期とは関係なく続く違和感や、しこり、乳頭から血の混じった分泌物、皮膚のくぼみやひきつれなど、「普段と違う」と感じる変化があれば、次の検診を待たずにお近くの乳腺科・乳腺外科を受診してください(図2)。乳がんが疑われた場合には、針生検などで診断を確定し、必要に応じてMRIやCTなどで病気の広がりを評価したうえで、治療方針を決定します。

遠隔転移(他の臓器への転移)がない場合は、手術が治療の中心となります。必要に応じて放射線治療や、がんの性質に応じた薬物療法を組み合わせ、再発予防を行います。
手術には乳房温存術と乳房全切除術があります。どちらの術式になるかは、がんの大きさだけでなく、乳房に対する病変の広がりや位置などを総合的に判断して決定します。そのため、乳房全切除術が必要だからといって、必ずしも乳がんが進行していることを意味するわけではありません。乳房全切除術が必要な場合でも、保険診療で乳房再建を受けられる場合があります。乳房再建は同時または後日に行うことができ、乳房を失うことによる心理的な負担を和らげる選択肢の一つです。
乳房に変化があることに気付いても、「乳がんだったらどうしよう」と不安になり、受診をためらってしまう方は少なくありません。しかし、現在では乳がんの治療は大きく進歩しており、一人ひとりの病状に応じてさまざまな治療法を選択することができます。
乳がんは誰もがなりうる病気です。だからこそ、「いつもの自分の乳房」を知り、普段と違う変化に気付いたら、一人で悩まず乳腺外科に相談してください。「いつもの自分の乳房」を知ることを毎月の習慣にすることが、乳がんの早期発見・早期治療につながります。
子宮頸がんは、子宮の出口にあたる「子宮頸部」にできるがんです(図1)。日本では年間約1万人が子宮頸がんと診断され、約2,700人が亡くなっています1)。比較的若い年代にもみられることが特徴で、30歳代から患者さんが増え、40歳代にも多くみられます。日本では諸外国と比べて罹患数が多いことが知られています。検診率の低さが一因と考えられています。

子宮頸がんの多くは、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染をきっかけとして発生します。HPVは珍しいウイルスではなく、性的接触によって多くの人が一生のうちに一度は感染する可能性があります。感染しても多くの場合は免疫の働きによって自然に排除されますが、一部では感染が長期間続くことがあります。
HPVへの感染が続くと、子宮頸部の表面の細胞に少しずつ変化が起こることがあります。この、がんになる前の細胞の変化を「異形成」と呼びます。異形成の段階ではがんではなく、軽度の異形成の多くは自然に消失します。一方、細胞の変化が徐々に強くなり高度の異形成となった場合、その一部が時間をかけて子宮頸がんへ進行します(図2)。

このように、HPVに感染したからといって必ず子宮頸がんになるわけではありません。感染から異形成、そしてがんになるまでには通常ある程度の時間がかかるため、検診によってがんになる前の段階で発見することが重要です。
子宮頸がんは、初期には症状がないことも少なくありません。そのため、症状がない時期から定期的に検診を受けることが早期発見につながります。
症状が現れる場合には、不正出血や褐色・血性のおりものなどがみられます。特に、月経以外の出血、性交時の出血、閉経後の出血などには注意が必要です。
子宮頸部は膣の奥に面しているため、そこに腫瘍ができると出血しやすくなります。初期には痛みを伴わないことも多いため、「少し出血しただけだから」と放置せず、不正出血が繰り返される場合には婦人科を受診することが大切です。
子宮頸がんは、検診によって早期発見が期待できるがんの一つです。
子宮頸がん検診では、子宮の出口を専用の器具で軽くこすって細胞を採取する「子宮頸部細胞診」が行われます。20歳以上では自治体による子宮頸がん検診の対象となります。多くの自治体では2年に1回ですが、詳細はお住まいの市町村、区のホームページを検索してください(自宅に検診のはがきが届かないこともあります)。HPVの検査を併用している自治体もあります。
検診で「要精密検査」と判定されても、すぐに子宮頸がんと診断されたという意味ではありません。細胞の変化が認められた場合には、必要に応じてHPV検査や、子宮頸部を拡大して観察する「コルポスコピー検査」を行い、子宮頸部組織の一部を採取して顕微鏡で調べる「組織検査」を行います。
これらの検査によって、がんがあるかどうかだけではなく、がんになる前の異形成があるか、どの程度の変化なのかについて詳しく調べます。
また、検診は症状のない人を対象として行うものです。不正出血などの症状がある場合には、次の検診まで待つのではなく婦人科を受診してください。
子宮頸がんの予防では、「HPVワクチン」と「子宮頸がん検診」が重要です。
HPVには多くの種類があり、その中には子宮頸がんの原因となりやすい「ハイリスクHPV」と呼ばれるタイプがあります。HPVワクチンは、こうした子宮頸がんの原因となるHPVへの感染を予防するためのワクチンです。
HPVワクチンは、HPVに感染する前に接種することで特に高い予防効果が期待できます。HPVワクチンについては、過去に接種後にさまざまな症状が報道されたことから、接種に不安を感じている方もいるかもしれません。HPVワクチンは、長期にわたる国内外の研究で安全性が評価されています。米国の安全性監視データでは、接種後に報告された重篤な健康問題は10万接種あたり約1.8件とまれでした。この1.8件も接種後に報告された事象の頻度であり、ワクチンとの因果関係を示すものではありません2)。日本でも約3万人を解析した調査で、接種後に問題とされた24種類の症状について有意な増加は認められず、ワクチンとの因果関係を支持する結果ではありませんでした3)。
有効性についても、HPVワクチン接種により子宮頸がんの罹患や死亡が大きく減少することが示されています。英国の全国データでは、12~13歳でのHPVワクチン接種率が約88~90%となった世代が20~24歳となった2020~2024年に、子宮頸がんによる死亡は0人でした。過去の死亡率からは23.1人が予測されており、子宮頸がん死亡の大幅な減少が認められました4)。
接種についてご不安がある場合、効果、副反応、接種回数、費用などについての疑問に関しては婦人科で説明を聞かれた上で接種を検討されるとよいでしょう。
このように、HPV感染そのものを予防するワクチンと、異形成や早期のがんを見つける検診のどちらか一方だけでなく、二つを組み合わせることが子宮頸がんの予防と早期発見につながります。
子宮頸がんの主な治療には、手術、放射線治療、薬物療法があります。どの治療を選択するかは、がんの大きさや広がり方(ステージ)、年齢、全身状態、将来の妊娠を希望するかなどを考慮して決めます。
早期の子宮頸がんでは手術が選択されることが多いですが。非常に早い段階で一定の条件を満たす場合には、子宮頸部の一部を円錐状に切除する「円錐切除術」等により、子宮を温存できることがあります。
一方、がんの広がりに応じて子宮を摘出する手術を行う場合もあります。手術の範囲は病気の状態によって異なり、子宮だけを摘出する手術から、子宮周囲の組織やリンパ節を含めて切除する手術までさまざまです。術後、状況によって放射線治療を追加することもあります。リンパ節の切除(郭清)には術後リンパ浮腫といって足がむくみやすくなるなどのリスクがありますが、近年ではセンチネルリンパ節生検といって、できるだけリンパ節郭清を行わないように縮小する努力が行われつつあります。
放射線治療も子宮頸がんの重要な治療法です。体の外から放射線を照射する方法と、膣から器具を挿入して腫瘍の近くから放射線を照射する方法があり、これらを組み合わせて治療することがあります。また、病気の状態によっては抗がん剤などの薬物療法と放射線治療を同時に行うこともあります。
がんが他の臓器などに広がっている場合には、薬物療法が治療の中心となります。近年は従来の抗がん剤に加えて、患者さんの病気の状態に応じて免疫の働きを利用する薬などが用いられることもあります。
治療法は同じ子宮頸がんでも一人ひとり異なります。こちらに書ききれなかった内容も多くあります。妊娠・出産への希望、ご自身の生活習慣や趣味、ご職業なども含め、治療前に担当医とよく相談することが重要です。
子宮頸がんは、異形成などの前段階から検診で見つけられる可能性があり、予防や早期発見が期待できるがんです。症状がなくても、対象となる年代では定期的に子宮頸がん検診を受けましょう。また、月経以外の出血、性交時の出血、閉経後の出血、血の混じったおりものなどが続く場合には、検診の時期を待たず、婦人科を受診してください。またワクチンに関するご相談も婦人科で行っています。
子宮頸がん検診で「要精密検査」と判定された場合にも、必ずしもがんという意味ではありません。しかし、異形成や早期の子宮頸がんが隠れている可能性があるため、放置せず、婦人科で必要な精密検査を受けることが大切です。婦人科受診にハードルを感じられる方も多いとは思いますが、まずはお話だけでもご相談いただければと思います。
1)がん情報サービスhttps://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/17_cervix_uteri.html#anchor1
2)JAMANetworkOpen.2021;4(9):e2124502
3)Papillomavirus Res. 2018;5:96–103
4)Lancet. 2026;408:162–168
甲状腺は、首の前側、のどぼとけの少し下にある、蝶が羽を広げたような形の小さな臓器です。ここから分泌される「甲状腺ホルモン」は、全身の新陳代謝を調節し、心臓、消化管、筋肉、脳など、さまざまな臓器の働きに関わっています。
甲状腺の病気は女性に多く、若い世代から高齢者まで幅広い年代でみられます。大きく分けると、甲状腺ホルモンが「多すぎる病気」「少なすぎる病気」、そして甲状腺に「しこりができる病気」があります。
甲状腺ホルモンが多くなる代表的な病気が「バセドウ病」です。自分の免疫が誤って甲状腺を刺激することによって起こる自己免疫疾患で、20~40歳代の女性に多くみられます。動悸、発汗、暑がり、手の震え、体重減少、疲れやすさ、イライラするなどの症状が現れます。目が出て見える、まぶたが腫れる、ものが二重に見えるなどの「甲状腺眼症」を伴うこともあります。
一方、甲状腺ホルモンが少なくなる原因として代表的なのが「橋本病(慢性甲状腺炎)」です。これも自己免疫疾患の一つで、特に中年以降の女性に多くみられます。甲状腺機能が低下すると、疲れやすい、寒がり、体重増加、むくみ、便秘、皮膚の乾燥、抜け毛、眠気、気分の落ち込みなどがみられます。
こうした症状は、疲労やストレス、更年期などでも起こるため、「年齢のせい」「疲れているだけ」と思われ、甲状腺の病気が見過ごされることがあります。特に40~50歳代では更年期症状と重なることがあるため注意が必要です。
また、妊娠・出産は甲状腺と深く関係しています。妊娠中は甲状腺の働きにも変化が生じ、甲状腺ホルモンはお母さんの健康だけでなく、赤ちゃんの発育にも大切です。そのため、甲状腺の病気がある場合には、妊娠前から妊娠中にかけて甲状腺機能を適切に保つことが重要です。
また、出産後には免疫の変化に伴って、一時的に甲状腺ホルモンが多くなったり少なくなったりする「産後甲状腺炎」が起こることがあります。産後の動悸や疲れやすさなどは、育児による疲れと思われやすいため注意が必要です。
また、甲状腺には「結節」と呼ばれるしこりができることがあります。多くは良性ですが、一部に甲状腺がんが含まれます。甲状腺が腫れていても痛みなどの症状がないことが多いため、鏡を見て首の前が腫れている、左右で形が違う、首にしこりを触れる、家族や友人から首の腫れを指摘された、といったことが受診のきっかけになります。

甲状腺の働きは、主に血液検査で調べます。甲状腺ホルモン(FT4など)と、甲状腺の働きを調節するホルモンであるTSH(甲状腺刺激ホルモン)を測定することで、甲状腺ホルモンが多すぎるのか、少なすぎるのかを判断できます。
バセドウ病や橋本病が疑われる場合には、原因となる自己抗体を調べる血液検査を追加することがあります。
首の腫れやしこりがある場合には、超音波(エコー)検査で甲状腺の大きさや内部の状態、しこりの有無などを確認します。しこりの性状によっては、細い針を刺して細胞を採取し、良性か悪性かを調べる検査を行うこともあります。
治療方法は甲状腺の病気によって異なります。
バセドウ病では、甲状腺ホルモンの産生を抑える薬による治療が一般的ですが、病状によっては放射性ヨウ素を用いた治療や手術を選択することもあります。
妊娠を希望する場合や妊娠中は、使用できる薬や適切な治療方法が異なることがあるため、主治医と相談しながら治療を続けることが大切です。特に放射性ヨウ素治療は妊娠中には行えません。
橋本病があっても甲状腺機能が正常であれば、必ずしも治療が必要とは限りません。甲状腺ホルモンが不足している場合には、甲状腺ホルモン薬を服用して不足分を補います。適切な量を服用することで、多くの場合、通常の日常生活を送ることができます。
甲状腺のしこりについては、大きさや超音波検査などの結果に応じて経過観察を行います。悪性が疑われる場合や甲状腺がんと診断された場合には、必要に応じて手術などの治療を行います。
甲状腺の病気を完全に予防することは難しく、特別な食品やサプリメントによって予防できるものでもありません。大切なのは、自分の体の変化に気づき、気になる症状が続く場合には早めに相談することです。
「いつもの自分と何か違う」と感じることは、体からの大切なサインです。
動悸が続く、疲れやすいなどの症状がある場合には、かかりつけ医や内科に相談しましょう。必要に応じて、内分泌内科や甲状腺を専門とする医療機関を紹介してもらうことができます。また、首の腫れやしこりに気づいた場合にも、一度医療機関を受診することをおすすめします。
特に女性では、甲状腺の病気の症状が月経に伴う体調変化、妊娠・出産、更年期などによる変化と似ていることがあります。「女性だから」「年齢のせいだから」と決めつけないことが大切です。
妊娠を希望している方や妊娠中の方で、甲状腺の病気を治療中の方、あるいは甲状腺の病気を指摘されたことがある方は、自己判断で薬を中止せず、早めに主治医に相談しましょう。また、出産後に動悸や強い疲労感など、それまでになかった体調の変化が続く場合にも、医療機関に相談しましょう。
子宮体がんは、子宮の内側を覆う「子宮内膜」から発生するがんです。子宮の入り口にできる子宮頸がんとは異なる病気で、日本では近年増加傾向にあります。
発症しやすい年代は40歳代後半から60歳代ですが、閉経前の女性にもみられます。子宮体がんの発症には女性ホルモン(エストロゲン)が関与しており、肥満、糖尿病、月経不順、出産経験がないことなどがリスク因子として知られています。また、一部の子宮体がんの発症には、「リンチ症候群」という大腸がんや子宮体がんを発症しやすくなる遺伝性の体質が関係しています。ご家族に大腸がんや子宮体がんの患者さんが複数いる場合には、リンチ症候群が関係している可能性があります。
子宮体がんの最も代表的な症状は「不正性器出血」です。特に閉経後の出血は注意が必要です。閉経後に少量でも出血がみられた場合は、早めに婦人科を受診することが大切です。また、閉経前であっても月経以外の出血や月経が長引く場合も婦人科を受診しましょう。

子宮体がんが疑われる場合、まず問診や内診、経腟超音波検査が行われます。超音波検査では子宮内膜の厚さや子宮の状態を確認します。診断のためには、子宮内膜の細胞や組織を採取する検査が必要です。採取した組織を顕微鏡で調べることで、がんの有無や組織のタイプを確認します。子宮体がんと診断された場合には、MRIやCTなどの画像検査を行い、がんの広がりや転移の有無を調べます。これらの結果をもとに治療方針が決定されます。
子宮体がんの治療の基本は手術です。一般的には子宮、卵巣、卵管を摘出することでがんを取り除くとともに、必要に応じてリンパ節を摘出して転移の有無を調べます。また、早期の子宮体がんでは、近年は腹腔鏡やロボット支援下手術など、体への負担が少ない低侵襲手術も広く行われています。
手術後の病理検査の結果によっては、再発予防のために抗がん剤治療や放射線治療が追加されることがあります。また、近年はがんの遺伝子や分子学的特徴に応じた治療も進歩し、再発した場合でも、免疫チェックポイント阻害剤などの新しい治療法によって治療成績の向上が期待されています。
子宮体がんは、他のがんと比較して比較的早い段階から症状が現れやすいことが特徴です。特に不正性器出血は重要なサインであり、多くの患者さんがこの症状をきっかけに受診しています。そのため、症状に気づいた際に早めに婦人科を受診することで、早期発見につながる可能性があります。
一方で、子宮頸がんのような確立された検診制度は現在のところありません。そのため、症状があるにもかかわらず受診を先延ばしにしてしまうことが、発見の遅れにつながる場合があります。「少量の出血だから大丈夫」「月経が再開した?」と自己判断せず、異常を感じたら相談することが大切です。
子宮体がんは、早期に発見できれば治療によって治癒が期待できる病気です。体からのサインを見逃さず、気になる症状があれば早めに婦人科を受診することが、自分自身の健康を守る第一歩となります。
不正性器出血や月経異常などの症状がある場合は、婦人科を受診しましょう。特に閉経後の出血は早めに相談することが大切です。また、家族に子宮体がんや大腸がん、卵巣がんの患者さんが複数いる場合や、若い年齢でこれらのがんを発症した家族がいる場合には、リンチ症候群などの遺伝的な体質が関係している可能性があります。そのような場合は、婦人科だけでなく遺伝診療部門への相談も選択肢となります。
子宮体がんは早期発見・早期治療が重要です。気になる症状があれば、一人で悩まず専門医に相談しましょう。また、診察に不安や希望がある場合は、予約時に医療機関へ相談してみましょう。
卵巣がんは、自覚症状が出にくく、気づいたときには進行していることが少なくないがんです。ここでは、どのような病気で、どんなサインに気をつければよいのか、どこに相談できるのかを解説します。
卵巣は、子宮の左右に一つずつある、親指の先ほどの大きさの臓器です。卵子を育てて排卵する働きと、女性ホルモンを分泌する働きを担っています。この卵巣にできる悪性の腫瘍が卵巣がんです。
卵巣がんの多くは卵巣から発生しますが、近年の研究から、隣り合った卵管や、おなかの中を覆う腹膜からも発生することが分かってきました。
発生する場所は違っても、症状の出方や検査・治療の進め方はほとんど共通しています。そのため、これら3つはひとつのグループとして扱われ、同じ方針に沿って治療が行われます。公的ながん情報でも「卵巣がん・卵管がん・腹膜がん」としてまとめて解説されています。

日本では、1年間におよそ1万3千人が卵巣がんと診断されています。40歳代から増え始め、50歳代から60歳代が発症のピークで、ちょうど閉経を迎える前後の年代に多いがんといえます。ただし、若い世代に起こるタイプもあります。

なお、卵巣にできる腫瘍の多くは良性です。健診などで「卵巣が腫れている」と言われても、そのすべてががんというわけではありません。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 上皮性腫瘍 | 卵巣がん全体の9割以上を占めます。漿液性がん、明細胞がん、類内膜がん、粘液性がんなどに分かれます。 |
| 胚細胞腫瘍 | 卵子のもとになる細胞から発生します。数は多くありませんが、10歳代から30歳代にみられることがあります。 |
| 性索間質性腫瘍 | 女性ホルモンなどをつくる部分から発生する、まれなタイプです。不正出血がきっかけで見つかることもあります。 |
※タイプによって、効きやすい治療法が異なります。
はっきりとした原因は分かっていませんが、排卵のたびに卵巣の表面が傷つき、修復される過程が発生に関係していると考えられています。そのため、一生のうちの排卵回数が多いこと(出産の経験がない、初経が早い、閉経が遅いなど)が、かかりやすさに関わる要因とされています。このほか、子宮内膜症や肥満との関連も指摘されています。
また、卵巣がんの5〜10%程度には、生まれ持った体質(遺伝)が関係しています。代表的なものが「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」で、細胞ががん化するのを抑制する遺伝子(BRCA1・BRCA2)の変化が原因です。血のつながった家族に卵巣がんや乳がんになった方が複数いる場合は、一度婦人科で相談してみるとよいでしょう。
一方で、妊娠・出産・授乳の経験や、低用量ピル(経口避妊薬)の使用は、卵巣がんにかかるリスクを下げることが分かっています。
卵巣がんは「サイレントキラー(沈黙のがん)」とも呼ばれます。卵巣はおなかの奥にあるため、腫瘍がかなり大きくなるまで痛みなどが出にくく、初期にはほとんど自覚症状がありません。腫瘍が大きくなったり広がったりすると、次のような症状が現れます。
・おなかが張る、下腹部がふくらんできた(スカートやズボンがきつくなる)
・下腹部にしこりが触れる
・トイレが近くなる、便秘がちになる
・食欲が落ちる、足がむくむ
これらは、月経前の不調や胃腸の調子、更年期の症状、体重の増加などと似ているため、「年齢のせい」「太っただけ」と考えて見過ごされがちです。数週間以上続く場合や、少しずつ強くなっている場合は、自己判断をせずに婦人科を受診してください。

卵巣がんは、早い段階で見つかれば、治療によって良好な経過が期待できます。ただし現在のところ、胃がんや子宮頸がんのように、国が広く受けることを勧めている「卵巣がん検診」はありません。死亡を減らす効果が科学的に確認された検診方法が、まだ確立していないためです。だからこそ、症状に気づいたときにためらわず受診すること、そして日ごろから婦人科とつながっておくことが大切になります。
医療機関では、まず内診と超音波(エコー)検査で、卵巣の大きさや形を確認します。おなかの上から、または腟から機器を当てて行う検査で、短時間で終わり、体への負担もほとんどありません。内診に抵抗を感じる方もいますが、不安があるときはその旨を伝えれば、まずはおなかの上からの超音波検査で様子をみることもできます。
必要に応じて、血液検査(CA125などの腫瘍マーカー)やCT・MRI検査で、腫瘍の性質や広がりを調べます。ただし、CA125は子宮内膜症や月経など、がん以外の原因で高くなることもあり、これらの検査だけで良性か悪性かを完全に見分けることはできません。最終的な診断は、手術で摘出した腫瘍を顕微鏡で調べる病理検査で確定します。
治療の柱は手術と薬物療法で、進行の程度やがんのタイプによって組み合わせや順番が決まります。卵管がん・腹膜がんも、これと同じ考え方で治療します。
腫瘍のある卵巣と卵管、子宮、大網(胃と大腸から垂れ下がる脂肪の膜)などを切除し、同時にがんの広がりを確認します。ごく早期で将来の妊娠を希望する場合には、片側の卵巣と卵管だけを切除し、子宮ともう一方の卵巣を残せることもあります。妊娠・出産を希望する方は、治療を始める前に必ず主治医に伝えてください。
手術の前後に、抗がん剤(プラチナ製剤とタキサン系薬剤の組み合わせ)による治療を行うことが一般的です。近年は、がん細胞の性質に合わせて働く分子標的薬(血管新生を抑える薬やPARP阻害薬)も使えるようになり、がん抑制遺伝子(BRCA1・BRCA2)などを調べたうえで薬を選ぶ治療が広がっています。
治療中は吐き気や脱毛、手足のしびれ感などの副作用が出ることがありますが、和らげる方法もあります。つらさは我慢せず医療者に伝えてください。
気になる症状があるときの窓口は、婦人科(産婦人科)です。「おなかの張りが続く」といった、はっきりしない症状でも構いません。受診の際に、症状がいつごろから続いているか、月経の状況、これまでにかかった婦人科の病気などを伝えると、診察がスムーズに進みます。また、男性医師に相談しにくい、と考えるようであれば、女性医師を指定できる医療機関もありますので事前にホームページや電話で確認しましょう。
症状がない方も、20歳以上であれば2年に1回の子宮頸がん検診を受ける機会があります。東京都の調査では、都民の子宮頸がん検診の受診率は40歳代をピークに50歳代以降は下がる傾向がみられますが、卵巣がんが増えてくるのは、まさにこの年代です。検診をきっかけに婦人科とつながり、気になることを相談できる関係をつくっておくことが、卵巣の異常に早く気づくことにもつながります。
がんと診断された後の不安、治療と仕事の両立、費用のことなどについては、全国のがん診療連携拠点病院などに設置されている「がん相談支援センター」に相談できます。その病院にかかっていない方やご家族でも、無料で利用できます。
東京都の調査では、女性の健康課題に関心がある人は76%で、その関心事項として「更年期以降に現れる症状」を挙げた人が58%いました。さらに、東京都の働く女性調査では、40代以上の働く女性の約半数が更年期症状による仕事への支障を経験していると報告されています。
更年期とは、女性の体が妊娠・出産が可能な時期(生殖期)から、その後の人生の段階(非生殖期)へ移行していく時期を指します。日本では一般的に、閉経前5年間と閉経後5年間を合わせた約10年間を更年期と呼びます。一方、国際的には、完全に月経が停止する前の時期と閉経した後の時期を併せて4~5年程度が更年期にあたる期間と考えられます。
閉経とは、子宮摘出や薬剤などの治療を行っていないにもかかわらず、最後の月経から1年間月経がない状態をいいます。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳とされており、多くの女性が40代後半から50代前半にかけて更年期を迎えます。更年期は病気ではなく、誰もが経験する自然なライフステージの一つです。しかし、この時期には女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が大きく変化するため、心身にさまざまな症状が現れることがあります(表1)。

更年期症状とは、更年期にみられるさまざまな心身の不調のことです。代表的な症状として、のぼせ・ほてり(ホットフラッシュ)・発汗などの血管運動症状(VMS)、めまい・頭痛・肩こり・疲れやすさ・不眠などの身体症状があります。また、イライラや気分の落ち込み、不安感などの精神的症状がみられることもあります。これらの症状によって日常生活に支障をきたす状態を更年期障害といいます。
原因としてまず、卵巣機能が衰退し、女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで、体温調節やホルモン分泌に関わる脳の神経細胞(KNDyニューロン)の働きが過剰に活発になります。その過剰な活動が「のぼせ・ほてり(ホットフラッシュ)などの発症に深く関係しています。症状の現れ方や強さには大きな個人差があります。ほとんど症状を感じない人もいれば、生活に影響を受ける人もいます。女性ホルモンの変化だけでなく、加齢、生活習慣、職場や家庭でのストレスなども関係すると考えられています。
更年期障害の診断では、まず症状について詳しくお話をうかがいます。例えば、「いつ頃から症状があるか」「どのような状況でどの程度困っているか」「日常生活への影響はあるか」などを確認します。受診前に気になる症状や生活への影響をメモしておくと、診察がスムーズになります。自己記入式の質問表などを用い症状を明確にしつつ、うつ症状と似た精神症状については過去のストレス経験、自殺念慮、自傷行為の有無など、なかなか聞きづらい症状についても問診します。また、更年期障害と似た症状を示す病気が隠れていないかも重要です。内科(甲状腺、循環器、消化器、膠原病疾患)・耳鼻科・整形外科的症状のように更年期障害とよく似た症状がみられる病気の可能性がないかも含めて診断にあたります。身体的評価として、一般婦人科診察、がん検診、血液生化学検査を行います。内分泌学的検査ではエストロゲン、下垂体ホルモンなどの血中濃度を測定することもありますが、この値は閉経から約2年後までは大きく変動し、変動期間は肥満になりやすいです。さらに、更年期以降は骨粗鬆症や脂質異常症のリスクが高くなるため、必要に応じてこれらの検査も勧められることもあります。
更年期障害の治療では、症状の程度や体質、既往歴に合わせて方法を選びます。セルフケアとして、まずは生活習慣の見直しをします。バランスのいい食事、適度な運動、十分な睡眠、禁煙、過度の飲酒や喫煙を控え、心身ともにリラックスする時間を作ることが重要です。更年期症状が気になる場合は、無理に我慢したり自己判断したりせず、婦人科への相談をお勧めします。
主な治療には、ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、抗うつ薬や抗不安薬などを用いる方法があります。症状や体質、既往歴に応じて必要時は他科と連携、カウンセリングを併用しながら、適切な治療法を選択します(表2)。

現代女性は8割以上が更年期世代まで就労を続けています。一方で更年期世代は自身の体調変化だけでなく、親世代の介護、パートナーの社会的立場の変化、子供世代の進学や独立、自身の職場での責任の増加など、さまざまなライフイベントが重なることがあります。更年期症状によって、仕事の継続やキャリア形成に影響を受ける女性も少なくありません。東京都の調査では、働く女性が職場に望む支援として「上司や周囲の理解」が最も多く挙げられています。「年齢のせいだから仕方ない」と我慢する必要はありません。
思春期の10年があるように、更年期の10年は月経が発来した人なら、だれでも通る道です。更年期は、多くの女性が経験する人生の自然な節目です。しかし、症状の程度には大きな個人差があり、日常生活に支障をきたす場合もあります。一人で抱え込まず、自分の状況を職場、友人に話すことで、楽になることもあります。もちろん、いつもよりそうキーパーソンとして、家族の中に悩みを打ち明けられる方がいればより安心です。家族や周囲の方々も更年期障害のことを知って、理解し、サポーティブな姿勢でいることが大切です。ほかにも相談先として、婦人科・かかりつけ医・更年期外来・地域の保健センター・職場の産業医・健康相談窓口などがあります。症状によって生活や仕事に支障を感じる場合は、相談してみましょう。適切な治療や周囲のサポートによって、症状が軽くなり、生活の質が改善することも少なくありません。正しい知識を持ち、必要に応じて医療機関や周囲の力を借りながら、自分らしく更年期をより穏やかに過ごすことができます。
骨粗鬆症は、骨の量や質が低下し、骨折しやすくなる病気です。骨粗鬆症そのものには自覚症状がありません。そのため、背骨がつぶれる「椎体骨折」や、脚の付け根の「大腿骨近位部骨折」などを起こして、初めて気づくことがあります。椎体骨折では強い背中の痛みが起こります。時間がたつと、身長が低くなったり、背中が丸くなったりし、場合によっては呼吸しにくくなることもあります。たただし、「椎体骨折」のなかには徐々に潰れていくことで骨折に気づかないうちに身長だけが縮んでいくという「いつのまにか骨折」のパターンもあります。大腿骨近位部骨折では強い痛みで歩けなくなり、高齢の方では、そのまま寝たきりになることもあります。
骨の中では、古い骨を壊す働きをする「破骨細胞」と、新しい骨をつくる「骨芽細胞」が働き、骨を常に作り替えています。この二つの働きのバランスや速さが変わり、骨の量や質が低下した状態が骨粗鬆症です。閉経後は、女性ホルモンが減ることで骨を壊す働きが強くなります。また、70歳以上では、新しい骨をつくる働きが弱くなっていきます。女性の骨粗鬆症の割合は、50歳代で約10%、60歳代で約20%、70歳代で約30%、80歳以上で約60%と報告されています。

胃を切除した方や、クローン病など腸に炎症を起こす病気がある方、子ども、高齢の方、極端にやせている方などでは、腸でビタミンDが十分に働きにくくなり、カルシウム吸収が低下することがあります。その結果、血液中のカルシウム濃度を保つ副甲状腺ホルモンの作用によって骨を壊す働きが強まり、骨粗鬆症につながります。
カルシウムやビタミンDの摂取不足、日光不足が骨粗鬆症の原因になると考えられがちですが、上記のような特別な状況や、生まれつきの体質(遺伝的な要因)がない方では、通常、それらだけが原因となるわけではありません。運動不足も、寝たきりなどの極端な状態でなければ、直接の原因にはなりません。
ほかにも、副甲状腺機能亢進症、甲状腺機能亢進症、クッシング症候群などのホルモンの病気や、グルココルチコイド(ステロイド)、女性ホルモンや男性ホルモンの働きを弱める薬などの副作用によって、骨粗鬆症になることがあります。
骨粗鬆症の診断では、DXA(デキサ)という装置を使い、腰の骨(腰椎)と脚の付け根の骨(大腿骨近位部)の骨密度を測ります。若い成人女性の骨密度の平均を100%とした値をYAM(Young Adult Mean)といい、YAMが80%未満の場合は骨粗鬆症の前段階である「骨量減少症」、70%以下の場合は「骨粗鬆症」と診断します。
若い女性と比べると、骨量減少症では椎体骨折が約2倍、大腿骨近位部骨折が約3倍起こりやすくなります。骨粗鬆症では、椎体骨折が約5倍、大腿骨近位部骨折が約9倍起こりやすくなることが知られています。

すでに骨折したことがある方は、次の骨折も起こしやすくなります。そのため、椎体骨折または大腿骨近位部骨折を起こしたことがある方は、骨密度に関係なく骨粗鬆症と診断されます。また、YAMが80%未満で、肋骨、骨盤、肩に近い上腕骨、手首に近い橈骨、下腿骨を軽い打撲などで骨折した場合も、骨粗鬆症と診断されます。
前に説明した特別な状況を除けば、ビタミンDやカルシウムを多くとることや、日光に当たることだけで骨粗鬆症を予防できるわけではありません。運動にも、一般に考えられているほど大きな骨粗鬆症の予防効果はありません。ただし、運動で筋肉をつけることは、転ぶ機会を減らし、筋肉がクッションになることで骨折の危険を減らすことにつながります。
このため、生活上の工夫だけで骨粗鬆症を防ごうとするのではなく、骨密度を定期的に調べることで早期治療につなげることが大切です。閉経後の女性では、年齢とともに骨粗鬆症の割合が大きく上がるため、自治体が行う骨粗鬆症検診や人間ドックなどで積極的に骨密度検査を受けることをおすすめします。
実際に骨折をおこしてしまうと、前に書いたように慢性的な痛みや姿勢の変化を起こしたり、寝たきり状態になってしまう可能性があります。このような骨折による取返しのつかない症状を引き起こさないためにも、積極的に骨密度の検査を受けることで、早期に骨粗鬆症を発見し適切な治療を受けることがとても重要です。
現在は、医療機関の保険診療で、病気の成り立ちに合わせた効果の高い治療を受けられます。閉経後など、骨を壊す働きが強くなった骨粗鬆症には、その働きを抑える「骨吸収抑制薬」が使われます。飲み薬と注射があります。また、高齢の方や重症の骨粗鬆症には、新しい骨をつくる働きを高める「骨形成促進薬」という注射薬が使われます。これらの薬には、しっかりと骨密度を増やし、骨折を予防する効果があります。
骨粗鬆症と診断された場合は、ホルモンの病気、薬の副作用、生まれつき骨折しやすい病気(遺伝性疾患)など、特別な原因がないかを医療機関で調べることも重要です。原因となる病気が見つかった場合は、その病気の治療がより重要になります。
骨粗鬆症が気になる方は、DXA(デキサ)を使って腰椎と大腿骨近位部の骨密度を測定できる健康診断・人間ドックの施設を利用するか、腰椎や大腿骨近位部の骨密度を測定できるDXA(デキサ)を備えた内科または整形外科にご相談ください。
女性の心身の健康に関する悩みに、看護師などの専門職が電話やメールでお答えします。
お住まいの自治体で相談窓口を設けている場合があります。
対象月経困難症/月経不順・無月経、PMS、子宮内膜症、子宮筋腫、乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん、甲状腺の病気、更年期障害、骨粗鬆症
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対象乳がん、子宮頸がん
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対象子宮筋腫、乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がん
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対象骨粗鬆症
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令和8年度 女性のがん検診受診応援事業の申請受付を開始しました。
対象の検診を受けた方は、本サイトよりお好きな健康関連グッズ等をお選びいただけます。
「女性のがん検診受診応援事業 - TOKYO Women's Health -」特設サイトを公開しました。